仕立て庭木や生垣に人気!イヌマキの基本の刈り込み・剪定やコツを解説

丈夫で扱いやすい性質から、神社仏閣や民家にも欠かせない庭木のひとつ、イヌマキ。潮風や大気汚染にも強く、生垣や防風林としても利用されてきました。
葉が細長く、針葉樹ながら柔らかい雰囲気のイヌマキは、仕立て庭木としても人気です。刈り込んでも硬すぎないフォルムが美しく、玉散らしなどに仕立てられます。また、ダルマのような見た目の果実も特徴的です。
そんなイヌマキですが、葉が長いという特徴から、刈り込み・剪定も、方法や行う時期に少しコツがあります。この記事では、刈り込み・剪定方法を特徴や育て方などと一緒に解説します。
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イヌマキの基礎知識
科名:マキ科
属名:マキ属
学名:Podpcarpus macrophyllus
英名:Buddhist pine、Japanese yew
和名:犬本槙/槇(いぬまき)
別名:マキ、ホソバ、草槇・臭槇(くさまき)
原産地:房総半島以西の本州、四国、九州、沖縄、台湾など
樹高:15〜20m
常落区分:常緑高木/針葉樹
日照:日向〜日陰
耐寒性:やや弱い
耐暑性:強い
開花期:5〜6月
花色:黄色
果実色:赤色と緑色
植え付け時期:4〜5月、8〜9月
剪定時期:3月〜12月(真夏は除く)
花言葉:慈愛、色褪せぬ恋
イヌマキの特徴

イヌマキは日本の暖地や台湾などに自生するマキ科の植物で、古くから植栽に使われてきた、日本人にとって身近な植物のひとつです。風に強い性質があり、防風林や防潮林としても用いられてきました。神社仏閣の林などにも使用され、樹齢数百年を超える巨木なども見られます。民家でも身近な存在で、家の生垣や庭木、畑の防風林などにも利用されました。
雌雄異株で、どちらも5〜6月に花が咲きます。雄花は雄しべが集まった円柱状で、雌株には突起状の花がつきます。雌株はその後、粉がかかったような緑色の種子をつけますが、その下にぷっくりとした赤い果托があるのが特徴的です。秋に赤黒く熟した果托は甘くて食べることができますが、種子には毒があり、人間が食べると嘔吐や下痢を起こします。
木材としてのイヌマキ
マキという名は真っ直ぐに伸びる木材として優れた木という意味で、スギやヒノキ、コウヤマキなどを指しますが、それよりも材木として劣るという意味合いで「イヌ」マキとつけられたと言われています。イヌマキは幹が螺旋状に育ち、割れやすい性質があるためです。しかし一方で耐朽性と耐水性に優れ、さらにシロアリにも強いため、沖縄では建材として重宝されました。首里城の構造材として使われていることでも有名です。
イヌマキの呼び名
身近な植物であったためか、地方によって呼び名はいろいろです。サルモモ、サルミノ、サルノキ、ニンギョノキなど、特徴的な実の形状を捉えた名称がたくさんあります。鹿児島県ではヒトツバ(一つ葉)と呼んだり、遠州地方ではホソバという名称も一般的です。また、幹を切ると独特の匂いがあり、臭いマキという意味でクサマキという別名もあります。
イヌマキの主な品種
ラカンマキ

イヌマキの変種に、ラカンマキがあります。イヌマキよりも葉が短く小ぶりで、樹高も3〜4mとあまり大きくなりません。繊細さがありコンパクトで、樹形もまとまりが出るため、イヌマキよりも庭木として価値が高いとされます。性質はイヌマキとほとんど一緒ですが、やや成長が遅いのが特徴です。
コウヤマキ

また、イヌマキと比べてホンマキと呼ばれるコウヤマキはコウヤマキ科コウヤマキ属で、イヌマキとは別の植物です。細い葉がやや似てはいますが、コウヤマキのほうが線形で、葉のつき方も枝ぶりもまったく違います。
イヌマキを刈り込み・剪定する時期
基本的には3〜12月頃の間ならいつでも剪定できますが、寒さに弱いので、寒冷地は11〜3月頃は避けます。寒い時期に強く剪定を行うと枯れてしまうことがあるので、やめておきましょう。
強めに剪定するときは、新芽が固まった5〜6月頃が適期です。年2回できれば、秋にもう一度樹形を整える剪定を行います。ただし秋の剪定で刈り込みを行うと、寒さに当たって葉の断面が茶色く目立つことがあります。できれば刈り込みは避け、飛び出た枝などを「透かし剪定」して整える程度が良いでしょう。
剪定の適期
・基本:真夏を避けた3〜12月の間ならいつでもOK
・年2回行う場合:5〜6月頃と9〜10月頃
・年1回行う場合:5〜6月頃
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イヌマキを刈り込み・剪定するメリット

イヌマキは枝があちこちに暴れがちで自然には樹形は整いにくく、また放置すると10mを超えることもあります。イヌマキは刈り込みや剪定をしながら、樹形を整えていくのが美しい庭木です。そのため、剪定と刈り込みは定期的に行うのがおすすめです。
剪定:樹木の成長や樹形を調整し、樹木の健康状態を維持するために、不要な枝葉を切り落とすこと。
刈り込み:樹木の枝葉の先端を切り、見た目を整えるために切り揃えること。
また、イヌマキは枝分かれしやすく、枝が密になりやすい性質があります。その性質が生垣や仕立て庭木に向くのですが、一方、風通しが悪くなって病害虫のリスクも増えます。また、表面を整える刈り込みだけを行なっていても、内部が混み合って風通しが悪くなります。不要な枝や間延びした枝をカットする透かし剪定を行なって、株の風通しをよくすると生育もよくなります。
刈り込み・剪定を行うメリット
・見た目が良くなる
・病害虫を防ぐ
・樹勢が良くなる
以上のことが、イヌマキを刈り込み・剪定を行うメリットとしてあげられます。
イヌマキの刈り込み・剪定方法

イヌマキの場合、刈り込むと長い葉を途中で切ってしまうことになるので、刈り込みハサミなどでの刈り込みは好みが分かれるところです。刈り込みはしないで、枝を根元から切って間引きながら調整する剪定だけで仕上げる場合も多くみられます。刈り込みはきっちりと輪郭が出てピシッとした印象になり、剪定のみで仕上げるとふんわりとした印象になります。ただ刈り込みで仕上げる場合も、透かし剪定はしましょう。
剪定のコツ
仕立てや生垣などでは、表面のみに当たる日光を求めてひょろひょろくねくねと間延びし、先にだけちょっと葉がついているという枝がよく見られます。内部が混み合う原因にもなるので、こういった間延び枝を整理していきましょう。枯れ枝や樹形から飛び出した枝などもカットします。玉散らしなどの仕立ては上部ばかりを見てしまいますが、下から見てみると、下方向に飛び出している枝も目立ちます。形を乱している枝は分岐点で切りましょう。
また、仕立て庭木の場合は、幹の途中から出ている芽(胴吹き)も切っておきましょう。幹と玉のメリハリがしっかりついて、見た目がよくなります。また株元から出ているひこばえも剪定しましょう。
刈り込みのコツ

イヌマキは葉が長く新芽も柔らかいので、ヘッジトリマーを使って同じ方向から刈っていくと刈りムラができがちです。トリマーを使う時は、同じ面でもいろんな方向からカットしましょう。葉が長いので、トリマーよりも電動バリカンの方がやりやすい傾向があります。
生垣は上部を薄く、下部を厚めに仕上げます。上部は日光が当たって生育も良いので強めに切り、内部や下部に日光が届くようにするためです。仕立て庭木も、上から始めて強めに刈り込み・剪定し、頭でっかちになるのを防ぎます。上から順に刈り込みながら、刈り込んだ葉や内部に溜まっている古葉をふるい落としながら進みます。古葉を残したままにしているとペスタロチア病など病害虫の原因になります。揉んだり枝を叩いたり振ったりしながらしっかり落としましょう。
イヌマキの育て方

日当たりと置き場所
日向を好みますが、日陰でも育ちます。潮風や大気汚染にも強いので、海風に対しての防風林や、交通量の多い道路側の生垣にも向いています。寒さは苦手なので、寒冷地の植栽にはあまり向きません。霜が降りるような地域では、株元を腐葉土などでマルチング(ビニールなどで覆うこと)するなどの対策を行います。
用土と肥料
適度に水はけの良い土を好みます。植え付ける際は水はけが良くなるよう、堆肥や腐葉土を混ぜ込み、少し高植えすると生育がよくなります。寒肥として2月頃に、油かすなどの有機質肥料を株の周囲に埋めます。鉢植えの場合は、3月頃に化成肥料を施肥します。
病害虫や注意点
新芽にマキシンハアブラムシがつくことがあります。アブラムシの排泄物を放置するとそこにカビが生えてすす病が発生します。すす病が発生すると黒っぽくなり、光合成を妨げてしまいます。アブラムシはできるだけ早めに見つけて駆除し、薬剤を散布しましょう。すす病が発生したら葉が束ねられていたらチャハマキがいる可能性があります。見つけたら、葉ごと潰して駆除します。
また、ペスタロチア病というカビが原因の病気も発生します。葉が灰褐色になって枯れる病気で、病原菌は葉の切り口などから入ることがあるため、刈り込み後などは注意が必要です。早めに発見して切り取り、罹患した葉はしっかり処理します。
まとめ
刈り込みに強いイヌマキですが、仕立て庭木や生垣は仕上げ方に好みが出ます。しっかり輪郭を出したい場合は刈り込みで、細葉の持つフォルムを活かしたい場合は剪定のみで、好みの庭木に仕上げてみてくださいね。また、イヌマキを元気に育てるには、病害虫の原因になる古葉の掃除はしっかり行うのがコツです。マツなどと同様、和のお庭には欠かせないイヌマキ。ぜひ取り入れてみてくださいね。
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執筆者:造園技能士 竜門 健太郎
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