【イチイ(一位)】剪定の基本を庭師が伝授

日本各地で見かけられ、庭木としても人気の高いイチイの木。

「イチイの木ってどうやって剪定するのだろう」
「少し伸びてきた枝があるけど切っても大丈夫かな」

など、イチイの剪定方法がわからずお困りではありませんか。切った枝は元には戻らないので、できれば失敗はしたくないものですよね。

そこでこの記事では、イチイの木の剪定の時期や剪定方法、育て方のコツなどを、プロの庭師が伝授いたします。
剪定を正しくおこなえば、元気なイチイが姿を見せてくれるでしょう。ぜひこの記事を読んで、剪定をする際の参考にしてくださいね。

[岡山県で剪定・伐採などのお庭のメンテナンスサービスを提供しています]
[メールでのお問合せはコチラ
[お電話での問合せ090-8359-9545【営業時間】9:00-18:00[年中無休]

目次

イチイ(一位)の木の基礎知識

イチイは、イチイ科イチイ属の常緑針葉樹です。名前の由来は、神官が使う「しゃく」にイチイの木が使われていることからきているとされています。別名が豊富で、なかでもオンコ・アララギが有名です。また、分布範囲は広く、北海道から沖縄まで日本全国で見られます。

学名:Taxus cuspidata
和名:イチイ(一位)
英名:Japanese Yew
樹高:高木
耐寒性:あり
開花期:3~4月
花期:9~10月
花言葉:高尚

イチイ(一位)の木の特徴

イチイの木は、果肉を除く樹木全体に有毒成分があるのが特徴です。剪定の際には、誤って口に入らないよう、気をつけなければいけません。

種には毒がありますが、野鳥たちは好んで食べます。そのため、お庭に鳥を誘う役目を果たす「誘鳥木」としても期待できます。誘鳥木についてくわしく知りたい方は、下記の記事がおすすめです。

イチイは緑の樹木と真っ赤な実のコントラストが綺麗な、鑑賞価値の高い樹木です。剪定方法に配慮して樹形を整え、お庭の主役として活躍してもらいましょう。

イチイ(一位)の木を剪定する時期は?

イチイの木の剪定時期は、2~3月がおすすめです。芽吹き前に剪定をすることで芽が出てくるのを促せるからです。

しかしイチイは丈夫で、いつでも剪定可能な側面があります。そのため樹形を整えたいときは、日頃から少しずつ剪定します。ただし、気温が高く、雨が降り続いていないときなどは、剪定を控えた方が良いでしょう。

イチイ(一位)の木の剪定方法

イチイの木の剪定方法は、以下の順番で進めます。

1.樹形と高さを決める
2.道具と服装を準備する
3.小透かし剪定を行う

剪定の際は準備が大切です。それぞれについてくわしく解説します。

樹形と高さを決める

イチイの樹形は、不等辺三角形や扇形が一般的です。目指したい樹形をイメージし、形を決定しましょう。

また樹の高さを決めることも重要です。すでに目標の高さに達している場合は、芯を切って上に木が伸びるのを止める必要があります。目指す樹形や高さに応じて、必要な道具を揃えましょう。

道具と服装を準備する

イチイの剪定には、以下の道具を用意します。

・剪定ばさみ
・のごぎり
・脚立
・ほうきとちりとり

剪定ばさみ・ほうき・ちりとりは、剪定時に必ず使用します。のこぎりと脚立は、状況に応じて使用しましょう。

また、服装は以下のものを着用します。

・手袋
・フェイスガードネット
・長袖長ズボン

服装は、なるべく肌が出ないものを着用します。剪定時に枝などで体を傷つけないように、長袖長ズボンで体を守りましょう。

また、フェイスガードネットをかぶることをおすすめします。ネットを着用することで、有毒である葉の誤飲防止が可能です。

小透かし剪定を行う

少しずつ剪定するために、小透かし剪定を行います。小透かし剪定とは、枝の先端部の細い部分を剪定することを指します。イチイはゆっくり成長するので、剪定量を多くすると元の形に戻るまで時間が必要です。小透かし剪定によって、切り落とす葉の量を少なくし、樹形を整えられるでしょう。

イチイ(一位)の木を剪定するコツ

イチイの木は、一定期間を置いて剪定するのではなく、枝葉の量が多くなったタイミングで剪定しましょう。なぜなら剪定の目的は、日当たりと風通しを良くすることだからです。

回数にこだわってしまうと、必要以上に剪定してしまい、イチイの木を弱めてしまう可能性があります。また、大きな剪定を必要とする際は、以下のような枝を落とします。

・内側に伸びる枝
・ひとつだけ伸びてしまった枝
・他の枝と絡んでしまった枝

大きな剪定をすると、樹形が綺麗に外方向に整います。次回以降の剪定は、樹形を整えるための小透かし剪定を中心に行えるでしょう。

イチイ(一位)の木を剪定するときの注意点

イチイの木は、高木になるため注意が必要です。放っておくと20mを超える大きさに成長するため、自分では手入れがしにくくなります。高所での作業は危険が伴うため、業者へ相談することを検討しましょう。

また、イチイの種には毒があります。手入れの際は誤飲防止に努めましょう。小さいお子さんを近くに立ち入らせない工夫も必要です。

くわえて暖かい地域では、大きく刈り込むと樹形が戻りにくいことがあります。いきなり大きく剪定せず、小さく剪定して様子を見た方が良いでしょう。

イチイ(一位)の木の育て方

イチイの木の育て方は、以下のとおりです。

・日差しが強ければ日よけをする
・水やりは極度に土が乾いたときに行う
・2~3月に肥料を与える
・剪定して病害虫を予防する

それぞれについてくわしく解説しますので、イチイが元気に育つ方法を覚えましょう。

日差しが強ければ日よけをする

イチイの木は、西日が強く当たると葉焼けします。
葉焼けとは、葉が茶色くなったり白く色が抜けたりする、生理障害を指します。具体策は、遮光ネットをイチイの木にかけることです。風通しを悪くせず、日光をさえぎれます。

また、打ち水をして周囲の気温を下げることも、葉焼けには有効的です。ただし、排水の悪い場所だと、水のまきすぎで根腐れがおきることがあるので注意が必要です。

自分で葉焼けに対処するのが心配な方は、プロに相談してみてはいかがですか。

水やりは極度に土が乾いたときに行う

植えてから2~3年の若い木は、土が乾いたときに多めに水を与えると良いでしょう。基本的にイチイの木は、真夏の雨が全く降らないとき以外は水やりがいりません。自然の雨で十分成長してくれます。

2~3月頃に肥料を与える

2~3月頃に有機質の肥料を与えます。基本的にイチイの木は、肥料を多く必要としない樹木です。樹木が若いうちや、大きく成長させたいときに与えると良いでしょう。

剪定して病害虫を予防する

枝が混んでいると風通しが悪くなり、アブラムシやカイガラムシがついてしまいます。害虫が付くと、葉の食害によって成長が妨げられます。

また、すす病の原因は害虫の排泄物です。剪定することで風通しが良くなり、虫が寄り付きにくくなるでしょう。日頃からの手入れが、病害虫の予防には大切です。

イチイ(一位)の木を増やす方法

イチイの木を増やす方法には、以下の3つがあります。

・種を採取して育てる
・挿し木をして育てる
・取り木をして育てる

病気で元気がないときや、枯れてしまいそうなときには、イチイを増やしておくと安心できますね。もしものために増やし方を覚えておきましょう。

種を採取して育てる

9~10月頃に実が熟したあと、木から落ちる前の種を採取します。採取後は種が乾かないよう、細心の注意が必要です。身の部分を水で洗い、すぐに種をまいて完了です。
ただし、発芽には数年かかることがあることを覚えておきましょう。早めに増やす場合は、挿し木や取り木で増やすことを考えます。

挿し木をして育てる

挿し木は、以下の手順で行います。

1.前年に伸びた枝の先端を15cmほどの長さで切る
2.切り取った枝の下半分の葉を取り除く
3.1~2時間ほど水につけて水を吸わせる
4.清潔な土を入れた小さめの鉢に挿す
5.たっぷり水を与える
6.風通しの良い明るい日陰で育てる
7.土の表面が乾いたら水を与える

挿し木は3〜4月におこないます。鉢の底から根が出るくらいまで根が伸びてくれば、安心して植え替えられるでしょう。

取り木をして育てる

取り木は枝を地面に埋めて発根させる繁殖方法で、枝が地表近くから出ているときに作業できます。作業手順は以下のとおりです。

1.幹から生えている枝の一部を地中に埋める
2.U字の針金で地中に枝を固定する
3.土が乾かないよう水やりをする

取り木は2~3月におこないます。清潔なナイフを使用し、発根させる場所の枝の外皮を2~3cmはがすと、発根しやすくなります。また、はがした部分に発根促進剤を塗るとより発根しやすいでしょう。

作業から数カ月後に、根を傷つけないようにして幹と切り離し、予定の場所へ植え替えます。

まとめ

イチイは丈夫で扱いやすい樹木です。しかし管理が行き届かないと、高木になったり、害虫が付いたりして、自分で手入れをするのが難しくなるでしょう。

イチイの木の手入れが不安な方や、お庭に植える樹木選びから、剪定やお世話など庭家plus 岡山までご相談ください。綺麗なお庭づくりのお手伝いをさせていただければ幸いです

庭木のメンテナンスはこちらから

執筆者:造園技能士 竜門 健太郎

ご注意ください!

自分で剪定する際に、
事故が発生しています。


想定外の設備不良や害虫との遭遇など、剪定中の様々な事故が発生しています。

 事例1 

脚立から転落、頭をぶつけた

庭で植木の剪定の作業をするため脚立で作業中、自分の足元の確認が不十分であったため脚立から転落し下にあった石に頭をぶつけた。

 事例2 

蜂に刺され動けなくなった

樹木の剪定作業中、蜂の巣に気付かず蜂に刺され、まもなく動けなくなった。

 事例3 

トリマーの刃で右手小指裂傷

トリマーを使い刈り込み作業中、トリマーのエンジンを止めずに置き、刈って落ちた葉を整理していたため、トリマーの刃と右手小指が当たってしまい裂傷した。

引用:厚生労働省職場の安全サイト 労働災害事例(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pgm/SHISYO_FND.html)平成29年5月,7月

危険に遭遇した際には、思ったように体が動かないものです。
樹木の状態や周囲の状況に合わせた道具や準備で十分注意の上、怪我のないように作業を行いましょう。


自分では難しい、
“やっぱりプロに依頼したい”そんな方へ。

庭家plusなら、専門の職人が
「理想のお庭」を叶えます!

庭家plusがお客様に選ばれる“3つの理由”

専門スタッフが一貫サポート。何でも相談しやすく、安心。

言葉にしにくい不安や希望を丁寧に伺い、施工完了までしっかりとサポート!

②ご要望に最適な職人による理想の仕上がりで、安心。

自分で職人を探す手間がありません!

無料見積もり追加料金なしで、安心。

明朗会計をモットーとしています。

ご利用頂いた95.4%のお客様に満足・大変満足の評価を頂いております。

お客様からのご満足の声を一部ご紹介します。

丁寧で、何度も足を運んでくださり、こちらの意向をよく汲み取って、提案してくださったので、とても安心感がありました。(F様)


考えられる様々なパターンと予測される木の状態を丁寧に説明して下さり、十分納得した上で作業に入って頂きました。結果、本当に満足のいく仕上がりとなり、お願いして良かったです。(K様)


思った以上にスムーズに相談が進み、連絡も小まめにあり、安心して希望通りできた。(S様)


思った以上の出来栄えです。ここまでしてくださるとは思いませんでした。ステキな庭になって気持ちが落ち着きます。丁寧な仕事をしてくださった職人さんにも感謝です。(F様)

無料お見積り・お問い合わせは
こちら

[受付] 株式会社KANAU
受付時間/9時~18時 定休日/年中無休

サービスエリア
岡山県岡山市・倉敷市・総社市・玉野市・瀬戸内市・備前市・赤磐市・和気町・早島町

※お電話でのご連絡は事務所を不在にしていることが多いため携帯電話に転送となる場合がありますので、ご了承ください。

庭家plus 岡山について、
もっと知りたい方はこちら

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次