その年の成長を左右する肥料「寒肥」

庭木・花木・果樹などが休眠している冬期に施す肥料を寒肥(かんごえ・かんぴ)と呼びます。 多くの植物は冬に休眠し、春には休眠から目覚めて萌芽します。 しかし地上部がまだ眠っている間に地下の根は早春の3月頃にひと足早く目覚め、春の萌芽のための活動を始めます。

庭木を地植えしている場合は、根が深くまで張っていることが多いので、土の表面に肥料を置いてもその成分が浸透していくには実は時間がかかります。地植えの木に栄養分が吸収されやすい時期は、庭木が活動を始め根が活動を始める春頃です。そのため、春に肥料の成分が根まで浸透することを想定して、肥料はその前の冬に与えるのが基本です。そうする事でちょうど芽吹きの時期根に肥料の成分行き渡るという事です。このように、冬など庭木が活動を休止している時期に与える肥料のことを寒肥といいます。
寒肥は、基本的に1~2月にやると良いでしょう。よく有機質の肥料が使われています。有機質の肥料(牛糞や鶏糞)は時間をかけて地中で分解されてから根で吸収さます。施肥をする際のポイントは肥料が根に直接触れないように気を付けること。(傷んでしまいます。)また、樹木は根の先端から栄養を吸収するためなるべく根の先端付近に施肥することポイントです。幹の近くに肥料を撒いてもほとんど意味がないので注意しましょう。地面を堺にして地上部(幹・枝)と地下部(根)の形が同じように成長しています。そのため根の先端部は樹冠の枝先の下あたりに分布しているので、この部分を中心に肥料を施すと効果的です。

目次

庭木や植木への寒肥の与え方には3種類の方法

庭木や植木への寒肥の与え方には「壺肥」「輪肥」「車肥」など3種類の方法があり、それぞれのやり方は効果的に栄養素を吸収させ、根や樹木の幹、周りの植物を守りつつ寒肥をほどこすやり方になっています。与え方はバラと同じく、枝先端の真下あたりに深さ30cmほどの穴を掘って肥料を埋め込みます。

●【壺肥】庭木や植木が密集した場所に3~6ヵ所穴を掘って施肥する。
●【輪肥】1本だけ独立した樹木のまわりを輪状に掘って施肥する。
●【車肥】大きい樹木の周りに4~6ヵ所ほど放射状に掘って施肥する。

この時期、化成肥料は植物に吸収されにくい傾向があります。しかし、有機質に由来する肥料分は冬の寒い時期でも吸収されやすいから寒肥には向いてます。また、寒肥として多くの量を一度に与えるのでゆっくりと肥料化して根を傷めない有機質肥料が向いているとも言えます。その上有機質肥料には土壌を改良する効果があるので植え替えをしない樹木や宿根草の肥料には適しています。
寒肥を与えるときに大きな穴を掘ると根を切ってしまうので植物が傷んでしまわないだろうか?と心配される方へ。この時期、太い根を切ることは却って春の新根を出させるのに大切な作業になります。太い根は養分や水分を吸収する能力が劣ります。しかし新根は養分等の吸収能力が高いので樹木の生育をより助けます。つまり根の新旧交代といったイメージです。

寒肥以外の庭木に肥料をする時期や方法

●【芽だし肥(春肥)】春の萌芽期に根の活動が盛んになる際に施肥する肥料です。萌芽や枝の伸長を助けるために与える肥料で主な時期は3~4月です。
●【秋肥】9月頃に花芽の充実や耐寒性を向上させるた為に施す肥料です。リン酸やカリ分の多い緩効性肥料が効果的です。
●【元肥(基肥)】庭木を植える際に植え穴の底に入れる緩効性肥料のことです。根と肥料が接触していると根が痛んでしまうので元肥の上に土を盛って使用します。
●【お礼肥】花の終わった後や果実を収穫した後に樹勢を回復させる目的で与える肥料です。
●【追肥】後から施す肥料を追肥といいます。主に一度に多く肥料を施しても意味が無い肥料で適切な時期に数回に分けて施肥する必要があります。
●【置肥】鉢の回りに置き、雨や水やりによって溶けることで肥料成分が浸透していく肥料です。
●【水肥】水やりの代わりに散布することで施肥する液体肥料です。主に育苗期や肥料切れの際に与えます。希釈して与えるものとそのまま使用するものがあります。

【有機質肥料】

有機質肥料とは、生物由来の資源を原料とする肥料のことを言います。基本的に有機質を成分としますが、動物の糞や草木の灰は無機物でありながら有機質肥料に挙げられます。主要な有機肥料は泥炭、動物性の廃棄物、農業からの植物性廃棄物、および下水汚泥です。土の中の微生物などが分解するので土壌の改良などにも役に立ちます。主に緩効性肥料はこちらに該当します。

無機質肥料(化成肥料)】

無機肥料はいろいろな鉱物を分解して作る肥料が主体ですが,化学合成によって出来る肥料を化成肥料とも言っていますが合わせて無機肥料とします。無機肥料には植物育成に必要なチッソ、リン、カリウムなどの重要3元素はもとより育成に欠かせないカルシュウム、マグネシューム、イオウそして微量元素の鉄、亜鉛なども適量に入っています。無機肥料はその成分割合を育てる植物や野菜などによって決められるので無駄なく利用できますので水耕栽培には大変向いております。

2024年12月10日更新
執筆者:造園技能士 竜門 健太郎

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